osushi.loveのサービス改善を見て感じた事

2018年2月1日にサービスを開始して即日、サービス停止した「Oshusi」さんが、3月7日にサービスを再開されました。

サービス停止に至った経緯は下記を参照ください。
投げ銭サービス「Osushi」、開設直後にセキュリティなど不具合露見 運営は一時停止のうえ全額返金対応

個人的にはOsushiさんのサービスは好きだったのですが、再開後のサービスは少し残念な気持ちに変わってしまったのでその気持ちを整理しようと思います。

残念な気持ちになった理由

osushiさんの投げ銭システムは法的に問題があった部分を「改善」されました。(あとセキュリティの部分も)
何を改善したかと言うと、送金ではなく、商品と交換とできるというものです。

これは同じように見えるかもしれませんが私の視点からですと、全然別のサービスになっていると感じました。

osushiさんのだめだった部分を直すという姿勢はとても好感が持てます。
しかし、この改善をユーザーの視点(気持ち)から見たときにはあまり良い改善とは思えませんでした。

公式サイトに下記のように記載があります。

お寿司はメタファーです。

お寿司はエンジニア界でコミュニケーションを活発化させるものと捉えられています。また、お寿司を介することで頑張っている人を支援するという精神的ハードルが下がると考えています。

言いたいことはすごくわかるのですが、元々この開発チームがやりたかった事は今のosushiなのかは疑問です。(今の形に満足or納得しているかもちょっと聞いてみたいです)
そして(最初に公開したときの)ユーザーは今の形のものが欲しかったわけではないと私は感じています。

開発チーム内でどういった経緯でこうなったのかはわかりませんが、無理やりにでも公開できる形に押し込んだ結果が今の形であればそれは非常に残念です。

なぜなら、今の状態でどうユーザーが利用してくれる(幸せになれる)のかをちゃんと考えた結果なのかが疑問だからです。

現在の仕様で送る側はお寿司を送るシーンは変わらないのですが、受取側は商品の選択が狭められている以上なかなか使いにくいものになっています
「私頑張った、今欲しい」みたいな気持ちのときには「発送」が必要な商品ですとなかなか満足感は得にくいなと想像をしています。

こういった、ユーザーの利用シーンを想像した上での改善をしたのかという点で考えると、少なくとも私はユーザーにはなれないなと思っています。

あまり好きな言葉ではないのですが、こういった設計が「UXデザイン」なのかなと思い、ユーザーの感情を軽んじられてる気がしてしまい残念な気持ちになりました

どうすればよかったか

私的にどうあってほしいかというと、商品の選択肢が限られているのであれば、現在の改善に加えてそれが広がれば改善できる考えています。

極論ですがamazonで購入でいればほぼ大丈夫なのではないでしょうか。

実はそういったサービスはすでにあります。
それはkampa!というサービスです。

このサービスでは、Amazonギフトカードを通じてカンパをするため、銀行などの様に振込手数料がかかりません。※osushiは手数料がかかります。
kampa!について

kampa!はosushiさんとほぼ同じ事が出来て、かつ商品選択も非常に自由度が高いです。
(最初に自分で商品も登録できるので、発送に時間がかかるとしても満額に達した事で満足感は得られると思います)

もちろんkampa!と同じものを作っても仕方ないのでそこに別の価値を見出さないといけないですが。

競合と差別化

kampa!がいかに素晴らしいサービスかとかを推したいわけではないのですが、すでにあるサービスの下位互換になるようなものを作ったというのであれば、それは誰が幸せになれるのだろうと感じています。

最近色々とお声がけ頂く機会が多く、打ち合わせの際には何がこのサービスの強みで、なぜ人に選ばれるのかを非常に気にするようになりました。

なぜならこれが定まってないと、サービスの改善が難しいからです。

私の心情的に私が関わったサービスはすべて自分でLTができる(人に推せる)ものでありたいと思っているからです。
Webデザイナを名乗っていますが私自身ビジュアルデザインが得意ではないのもあって、デザインを職種ではなく、手段と捉えてるフシがあります。

成果を出してなんぼのもんじゃいと考えているので、知らない人から見たら営業の人みたいかもしれません。

差別化を考えるときによく気をつけているのが、「ただ自分たちがやりたい事をやるだけでは差別化ではありません(ユーザーには響きません)
ユーザーに対してきちんと行動を起こしてもらうほどのメリットを提供できなければ、ただの妄想で終わってしまいます

きちんと誰の悩みを解決して、どう幸せにするかを考えないとサービスは長く続くのは難しいと最近良く思います。

再リリースした事

上記のように書いてしまうと、私がosushiさんのサービスを嫌いになったように見えますが、あくまで再リリースした改善の方法が私としては残念だっただけでosushiさんの考え方は好きです。(誤解なきように)

そして、再リリースした事で初期公開時の法的懸念点、技術的・セキュリティ的な改善をきちんとして短期間で再リリースしたことは賞賛しています。

これがなかったら、会社の評判を落としただけで終わってしまうのでそうならなくてよかったと安堵してます。

最後に

osushiさんの再リリースの打ち合わせがどんな風だったのか、本当にわかりませんので私の妄想なのですが、なんとか体裁を保って再リリースすることを目標にしていたのなら、やっぱり残念です。
※osushiさんのプロダクトを責めるつもりは全然ないです。

もちろん、私自身も関わるプロジェクトで意図しない形でリリースした経験はたくさんあり、それが無くなる、または消失する姿を何度も目にしていますので全然偉そうな事は言えませんが。。。

osushiさんの今回の件を通じて、Webデザイナである以上、関わるプロダクトをより成長させれる人でありたいなと自分の中で再認識できました。

余談ですが、私も人の奢りで寿司を食べるのは好きです。
それは単に奢りというスパイスだけではなく、人に感謝されたり役に立った結果という下地があってこそ、より味わいが深くなりますので、ととのつまりどなたか私にお寿司を奢ってください(ゝω・)

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この記事を書いた人

conti

名古屋在住のUIデザイナ。UIコンポーネントの設計と運用と素早くプロトタイプを作りながらフロントの実装するのが得意です。最近はReactを触るのとデザインシステムを作るのが好きです。コーギーと暮らしています。
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