先日FRONTEND CONFERENCE 2018にて「デザイナ主導のプロトタイプ開発のススメ方」という発表をしてきました。
スライドを公開した所自分的にはそれなりに好評のようでしたので、ちょっと記事でも補足したいと思います。
今日話すスライドです。「デザイナ主導の プロトタイプ開発のススメ方」https://t.co/bvSznsmi0j#frontkansai
— コンチ (@maki_saki) 2018年11月24日
発表したスライド
私がプロトタイプを通じて感じていること
プロトタイプを作る事自体はデザイナがいなくても作れます。
ですが、デザイナがいる中でプロトタイプを作る意味はあります。
特に私が感じている事は開発初期にデザイナが入るとメンバーのコミュニケーションがはかどりやすく、アイデアが形にされるスピードが上がるということです。
プロトタイプは各々自分のイメージやアイデアを口にして伝えることが多く、メンバー間で同じイメージが共有しやすいかと言われればそうではありません。
そこでデザイナが入ることで、イメージの共有・コミュニケーションの活性化が可能と考えています。
とくに、クライアントやユーザーなどITスキルに疎い人などは、小難しい横文字や専門用語が打ち合わせの中で出てくると萎縮してしまいがちです。
ですが、クライアント(プロダクトマネージャー?)などこそが発言をして方向をまとめないとプロトタイプであっても作ったものが歪(いびつ)になってしまいがちです。
デザイナというと完成形で評価されると誤解されていましたが、最近は課程こそ評価できるものなんじゃないかと考えています。
プロトタイプを作れるデザイナーはキャリアアップの一つ
エンジニアであれば年収1000万円の人はそんなに珍しくないかと思います。
しかしWebデザイナはどうでしょう?
正直年収600万以上という人ですら珍しく感じます。
もちろんWebデザイナをベースに転職を繰り返しその金額まで上がる人はいるかと思いますが、エンジニアのように現場で活躍しながら高額な年収を得るのはWebデザイナでは難しいという印象を持っています。(フリーランスは別で考えています)
なぜエンジニアだけがその金額になるのか?を考えるとアウトプットしたものの成果が見えやすい、その人だから作れたというのが伝わりやすいというのが一つあると考えています。
しかしデザインとなると「その人だから作れた」はあってもアウトプットしたもの成果が見えにくいのがデザイナの年収の天井を低くしている一つの要因かと思っています。
当たり前ですが、100万かけて作ったデザインでデザインの良し悪し出300万の利益がでるなら、喜んでデザインに投資する経営者を多いです。
しかしデザインのみでそういった再現性のある利益を出すのは難しいです。
ですので、プロトタイプを使い、ユーザーのニーズはあるのか、市場はどのくらいなのかを簡単にでも知るというのは重要で、それが(ある程度)わかるからこそデザインに投資ができるという事に繋がると考えています。
そして、市場とニーズがわかったとして、後から入ってきたデザイナがそれまでのチームのフィードバックを理解してデザイン出来るかというと難しいです。
もしそれが可能なら、「クライアントとディレクターで打ち合わせ」→「ワイヤーが確定したからデザインする」→「出来上がったデザインでエンジニアが組み込む」といった分業の形でももっと上手く開発ができきるかと思います。
ですので、デザイナ自身がプロトタイプを作る段階からプロジェクトの中心に参加することで、これまで以上にデザインに対しての付加価値を与えれるのではないかと考えています。
この言葉が正しいのかわかりませんが、これもUXデザイナー?の一つのスキルかと考えています。
※スライドの中にある「5つの段階で考えるユーザー中心のデザイン」の部分に繋がります。
もちろんUXデザイナを名乗ったからといって、需要が増え、年収があがるなら今からでも私は名乗ります。
しかし、名乗った所で何も変わらないでしょう。UXデザイナを名乗ることより、「デザイナ」として何ができるのかをアウトプットしてこそ、ニーズに答えれるんじゃないかなと思っています。
なお、私は年収を上げたいわけではなく、原則働きたくないので短い時間で成果を出せるデザイナでありたいと考えています。
分業の体制を脱出したい
WEB/アプリにかかわらず、近年は職域を明確に区切れず、グラデーションのように複数の職域を侵食しながら開発するシーンが増えてきました。
Webデザイナがphpを書けるもの珍しくないですし、エンジニアでデザインをする人もいます。
なぜそういったことが起きてるのかというと、言われたものを作るウォーターフォール式の開発ではなく、柔軟に動けるような開発体制が求められているからと考えています。
昔は分業で開発してる会社が多かったですが、今回りを見ると複数の職域をまたぐ開発者ばかりいます。
※少なくとも私の周りの話です
そんな中でデザイン専業でやっていくのはニーズに応えるのは難しいと思っています。
開発の初期からチームに価値を提供できるデザイナになることは近年のニーズに応えれる一つの方法と思いこんな感じで今後も自分自身やっていきたいなと考えています。
イベント参加者の反応
予算ないんですよ!というときこそプロトタイプが有効 #frontkansai
— かげやマン (@Hige_Atto) November 24, 2018
プロトタイプをやると良いとき
-やめる選択肢があるとき
-プロダクトの価値がわからないとき
-クライアントとチームになれるとき#frontkansai— 北村茂生/Shigeo Kitamura (@shigeo9462) November 24, 2018
プロトタイプの利点は、価値観の共有とユーザー調査。少人数で作った方が良い。正しい選択肢を選ぶため、捨てることを選ぶため。 #frontkansai
— よしぱん (@yoshipan) November 24, 2018
コンチさんの、しゃべりのスピードと声の高さが耳に合わなくて、笑いどころを聞き逃すつらみ
— *{mukanaka:hidden} (@SatoshiMukai) November 24, 2018
プロトタイプは「捨てる」もの。よくよく心に留めておきたい #frontkansai
— 深沢幸治郎@11/24 FRONTEND CONFERENCE 2018 at Osaka (@kojirofukazawa) November 24, 2018
プロトタイプの作成のやり方は色々あるけど、それぞれ長所、短所があって選ぶのは大変そう#frontkansai
— chan_kaku (@chan_kakuz) November 24, 2018
プロトタイピングをなにも考えないで「やるべきこと」にしてはいけないね。目的意識を共有してやらないとクライアントさんにしたらナニコレ状態になってしまうわけで #frontkansai
— 深沢幸治郎@11/24 FRONTEND CONFERENCE 2018 at Osaka (@kojirofukazawa) November 24, 2018
プロトタイピングをなにも考えないで「やるべきこと」にしてはいけないね。目的意識を共有してやらないとクライアントさんにしたらナニコレ状態になってしまうわけで #frontkansai
— 深沢幸治郎@11/24 FRONTEND CONFERENCE 2018 at Osaka (@kojirofukazawa) November 24, 2018
プロトタイプを通して「やめるという選択肢」を考えるのは大事だと思う。プロトタイプを作って、やっぱりそもそも制作の必要がないと気づいてもらえることがあった。言葉で伝えても納得してもらいにくいけど、プロトタイプを通して自ら気づいてもらえるっていう発見があった。 #frontkansai
— Yasui Risa (@cotolier_risa) November 24, 2018
私はペーパープロトタイプは毎回やってるなぁ。打ち合わせ中に描いてクライアントさんと確認しながら進めることもあれば、制作前に自分だけでやる時もある。モックアップ作ったりコードプロトタイピングもやるけど、いきなりPCに向かって作り始めるのが苦手。 #frontkansai
— よしぱん (@yoshipan) November 24, 2018
「こんなのあったらいいんじゃない」のプロトタイプをTwiterにさらして反響を読むって話。面白い。 #frontkansai
— 深沢幸治郎@11/24 FRONTEND CONFERENCE 2018 at Osaka (@kojirofukazawa) November 24, 2018
ユーザーの顕在課題と潜在課題の話。潜在化したニーズは自ら堀りにいかないと見つからない。 #frontkansai
— 深沢幸治郎@11/24 FRONTEND CONFERENCE 2018 at Osaka (@kojirofukazawa) November 24, 2018
羞恥心捨てるの大変だけどすごく大事…!!😭 #frontkansai
— Yasui Risa (@cotolier_risa) November 24, 2018
いわゆるWIP(やりかけ)の案を出すことが認められるって結構デザイナーの心理的安全性が高まるんですよ #frontkansai
— 深沢幸治郎@11/24 FRONTEND CONFERENCE 2018 at Osaka (@kojirofukazawa) November 24, 2018
プロトタイプを作るために必要なこと=羞恥心を捨てる!デザイナーは過程を隠しがち、相手を信頼して見せていく! #frontkansai
— よしぱん (@yoshipan) November 24, 2018
出来てないことばっかりだ…
羞恥心を捨てる
簡単なアウトプットを日々やる。
自分ではなく、成果物に対するフィードバックなので気にならない。
#frontkansai— 社畜サイ改造計画始動 (@o765q) November 24, 2018
自分のプライドやら羞恥心はやはり邪魔になりやすいなぁと2講座聞いておもた。ネックに考えてる方たくさんいるのね!おサル課題やなぁ。 #frontkansai
— おサル井筒 (@osaru_kyujitu) November 24, 2018
ただ多くのクライアントがやりかけのものを出さえることに慣れていないので、こちらはデザイナーからしっかり流れを説明する必要がある。 #frontkansai
— 深沢幸治郎@11/24 FRONTEND CONFERENCE 2018 at Osaka (@kojirofukazawa) November 24, 2018
相手を信頼できるから見せられるって素敵だ
#frontkansai— 社畜サイ改造計画始動 (@o765q) November 24, 2018
最後に
プロトタイプを作れるデザイナというのはあり方の一つです。
私はこのやり方が一番「あるべきもの」を作れる近道と思っています。少なくとも今は。
まだまだ開発のフローは変化していきますが、「プロダクトの価値はなにかを自分から整理できるスキル」はデザイナとしてもっていて損のあるスキルではないので、今後時代が変わっても重宝されるかと思います(ゝω・)