WordPressといえば、今やWebデザイナに限らず、ブロガーなど、Web業界にいないユーザーでも知っているほど有名なCMSです。
WordPressは企業のコーポレートサイトなどにも利用されておりブログ以外の制作でも需要があるため制作会社でもそのスキルは求められます。
WordPressが日本で流行り始めたのは2012年頃かなと思いますが、その頃からWordPressを勉強し始めて良かった実体験をご紹介します。
WordPressを覚えると仕事にありつきやすい
前述したように、WordPredssはWeb業界に限らず、いろんな人が知っているので「WordPressで作って欲しい」というようなCMSを指名して相談してくる方も多いです。
そのくらい需要があるものなので、製作会社なども「WebデザイナはWordPressを扱えて当たり前」という感覚を持っている企業も多いです。
WordPressを扱えるというということは、デザイン、HTML/CSS/JavaScript とPHPの基礎的な部分はわかっている人になるので総合力の高いWebデザイナとして見られます。
近年は総合力が高いWebデザイナーが求められるので、就職する際も有利になります。
また 制作会社以外にもWeb 担当などもWordPressもスキルを求められたりします。
企業のブログサイトやオウンドメディアのようなサイトを扱うことは Web 他の人は多いので WordPress のスキルというのは役に立ちます。
クラウドソーシングでもWordPressは人気
個人事業主や先ほどあげた制作会社などもクラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシングサービスでWordPressを扱えるデザイナの案件はたくさんあります。
最近は未経験でWebデザイナーになるという人や副業を始める人がクラウドソーシングにも増えてきたので、バナー作成や簡単なコーディングの案件は取りにくくなってきました。
しかしWordPressとなるとHTML,CSS,JS,PHPといった総合スキルが求められるので、ライバルがぐっと減ります。
※もちろんWordPressができるWebデザイナはたくさんいるので、WordPressを覚えただけでクラウドソーシングで稼げるなんてことはありませんが。
※場合によってはコードを以外に解析やSEOの知識も求められます。
ですのでWordPressのスキルがあればクラウドソーシングでスキルを磨くチャンスが増えます。
もちろん副業でお小遣い稼ぎのチャンスもです。
プログラミングを学べる
WordPress を扱えるとプログラミングを覚えるチャンスに巡りあいやすいです。
特にPHPを学ぶことができます。
私はPHPを学んだのは基本的にはWordPressがあったからです。
ですので、自分の経験上ではWordPressが扱えるというだけでPHPが書けるとはあまり強く言えないのですが 、それでもWordPressのPHPの書き方を知っているというだけでWordPress以外の PHPの案件でもコードが書くことができるくらいの勘所は身についています。
実際にLaravelやcakeのような別のPHPフレームワークを多少は扱えるくらいにはWordPressで学んだ知識は役に立っています。
テーマを自作する
どうやってPHPを覚えたらいいかと言うと一番手っ取り早いのは自分でテーマを作ることです。
テーマを作る=PHPを作るにつながります。
自分でテーマを作ると「こういう事がやりたい、こんなふうに変えたい みたい」のような具体的な形が想像できるので調べやすいです。
WordPressは本もたくさん出ていますし、知っている人も多い。
何より、日本語の情報がたくさんあるので、調べたら大体答えが見つかります。
悩む→壁にぶち当たる→ググる→試す→うまくいく、のような形を繰り返す事ができるので自然とPHPの理解に繋がりました。
もちろんいきなりゼロからPHPを始めるというのは辛いので基礎的なところは 本や Udemyなどで基礎的な部分は学習してからの方が良いかイメージが湧きやすいです。
動画学習サービスUdemy(ユーデミー)を1年間利用してみた評判と感想
テーマ開発を始めるにあたってまず持っておきたいオススメの本は下記になります。
世界一わかりやすいWordPress 導入とサイト制作の教科書 (世界一わかりやすい教科書)
WordPressのテーマをカスタマイズしていく
初めから自作でテーマを作るというのは、ハードルが高いのでまずは誰かが作ったテーマを子テーマでつくっていくというのがやりやすいです。
子テーマを進める理由は下記です。
- 自分で書いた範囲がわかるので、何か合ってもすぐに戻せる
- 人の書いたコードを見て勉強する機会が増える
- どんなテーマからでも簡単に始められる
- 元のテーマがアップデートされたときに、自分の書いたコードが消えない
SEOを学べる
他にもWordPressを勉強するというところでメリットがあるのはSEOの知識が実験できるというところです。
WordPressに限らないのですがブログを始めることでその辺りのメリットは大体享受できます。
未経験WEBデザイナーはブログを持ったほうが良いと思う私なりの理由
実際に私もSEO のことやマーケティングのことを学ぼうとした時は今あなたが見ているこのブログで学びました。
このブログが私のSEO、マーケティングの原点ですごく役に立っています。
少し話題がずれるのですが、実際に自分だけで運用したサイトを持っているWebデザイナの発言には説得力があります。
なぜなら、会社やチームで行ってるサイトで実績を出した場合は別の要因で成果が出せたという事も考えられます。
SEOやマーケティングの知識において「再現性」というのは非常に重要になるのですが、その成果を説得力をもたせた状態で言えるのは自分ひとりで育てたサイトがあるか、ないかで全然違います。
実際に「SEOのことはわかります」と言ってるWebデザイナでも本で聞きかじった知識だけで、実践で活用できるに至ってない人もいます。
(というか、私はブログじゃなくても自分でサイトを作って運用したことない人は総じて信用してないです。たまに話しをしてる中で自分でサイト運用してなくても「こいつできる!」みたいな人はいますが、稀です。)
実際に聞いたSEOの知識などを自分のこのサイトで試してみたりして、何を大事にするか、何を改善すべきかわかってるデザイナは提案の角度がデザイン(見た目)以外からもあるのでとても重宝されますよ。
運用する経験ができる
SEOのことは本を見たりGoogleの理念(Google が掲げる 10 の事実)を調べていれば大体わかってくるのですが、じゃあそれが実際にどのようなものか、自分の考え方があってるのか、やり方は正しいのかなどいくつか 疑問が運用をやってみると出てきます。
実際に試してみれば本当に検索順位に影響があるものも分かってきますし、実際に順位の上下 というものも当たり前のように自分の感覚で分かるようになります。
Webサイトは作ってからがスタートと言われていますが、現実は作って終わりの状態が多いです。
この背景は実際にどうやって伸ばすかを知らなければ提案もできないですし、クライアントもまだまだWebサイトを公開したら勝手に成果が出ると誤解してる人が多いというのがあります。
※他にも理由はありますがこの記事では割愛します。
自身で設計と運用の経験があるのはすごく重要です。
特に自分のサイトですと自由な発想で改善できるので独自の経験での発言ができます。
実際の会議の場でも説得力が違います。
SEOの話では無いのですが、実際に私も自分で作ったサイトがバズったときは、マーケティングの視点において意見を求められる事が急に増えました。
公開6日で100万PVを叩き出したWebサイト「俺の嫁が可愛い」を公開してみて
解析を覚える事ができる
ブログを始めるとGoogle アナリティクスなどをはじめとした解析を覚えることができます。
実際の業務の中で解析を覚えるというのはWebデザイナからすると結構難しいです。
そもそもの業務の中でWebデザイナは自分で望んでかかわらないと、解析に携わる機会も少ないですし、 会社も解析のできない人間に解析の業務を任せるということはほぼ無いのが背景にあります。
解析のスキルを覚えていれば自分でもやってみたいと社内に声を出した時に「 じゃあやってみて」と言われて結果を出すことは難しくないです。(すでにプロジェクトにアナリストがいれば話は別ですが)
しかしなにもやったことをない状態で「やってみたい」で結果が出せない場合は「口だけか…」という風に思われてしまうので、やってみたいという発言にも非常にハードルが上がってしまいます。
※そんな経験ないですか?私はめちゃくちゃあったのですが…。
自分でWordPressでブログを作ってみて、改善などを視野に入れてやってみればすぐの業務にもすぐに活かせるようになりますよ。
ポートフォリオも作れる
今あなたはポートフォリオを持っていますか?
私は初めて作ったのは HTML のポートフォリオでした。
ただHTMLのポートフォリオ は作るのは簡単ですが、更新をするのが面倒だったりするのであまり長いこと 運用はできませんでした。
私はWordPress を覚えてからポートフォリオサイトをWordPressで作り直しました。
WordPressでポートフォリオを作ると、タグやカテゴリなどシステム面の設計を考える機会に恵まれたりして実際の業務で使うような構成を自分のプロダクトで経験することができます。
ポートフォリオをWordPressで作ることは良い練習にもなりますし、転職の時にも役に立ちます。
もちろんポートフォリオをWordPressで作らないといけないということはないのですが、できないよりはできた方がいいのは間違いないです。
WordPressが使えないデザイナー
WordPress が使えないデザイナーというのがいるのかと聞かれたら、もちろんいます。
多いのかって言われたら正直 私には分かりません。
なぜならそういったデザイナーの方と私は会うことがないからです。
WordPress が使えるデザイナーというのは多くの方が自分から勉強をするデザイナの方です。
情報収取やSNS を通じてWordPress が必要だと思った方が独自で勉強する、そういった方が割とWordPressを使えるWebデザイナには多いです。
WordPressを覚えていないWebデザイナはどんな方が多いのかというと、業務でしか使うものしか覚えないようなWebデザイナの方の場合が多い印象が強いです。
※もちろん自分で「WordPressはいらないと判断して勉強をしない」方もいらっしゃるとは思いますが…。
ただ 現場 WordPress の使えないWebデザイナー よりも就職においWordPressを使えるデザイナーの方が有利になります。
なぜかと言うと「かっこいいデザインを作る」だけという仕事が最近は減っているからです。
印刷業界であったり広告関係の仕事であればそういったかっこいいデザインをするデザイナーが目立つシーンはまだありますが最近は「ビジュアルによるデザイン」よりも「成果が出るデザイン」のように様々な観点からサイトの価値というのは見られているようになっています。
デザイン単体で評価されるという機会はWeb 業界では非常に少なくなっています。
少なくとも私は「見た目が良いだけのデザイン」を全く評価していないです。
見た目が派手なだけで、何を伝えたいのか全くわからないデザインではユーザーをアクションさせるのは難しいです。
成果の出せるWebサイトを作れるWebデザイナのほうが評価されやすいと考えていますので、 私もそういったスキルを持つようにしています。
どうやってWordPressを学べばよいか
WordPress の勉強法は実はシンプルです。
最初に少し述べましたがまずは本やUdemyなどで基本的な部分を把握してから始めるのがオススメです。
その後、自分でブログを作ってみてください。
Webデザイナー初心者がWordPressでブログを始める手順
自分でブログを持つと愛着のある自分のWebサイトになりますから、「こうカスタマイズしたい」みたいなところが出てます。
実際にPHPやCSS、JSではどうやればいいかというのを少しずつ調べていって勉強していくのがいいです。
このやり方だと小さな成功体験を積みやすいので、勉強し続けるのが楽です。
一点注意して欲しいことが、いきなり自作のテーマを作ると大変なのでまずは誰かのテーマ などを使って子テーマでカスタマイズしていくことをお勧めします。
無料のテーマですと下記あたりが管理画面からのカスタマイズが豊富なので使いやすいです。
もしデザイン面でこだわりたいとかでしたら、WordPressのテーマ公式のディレクトリがあるのでそこのあるもので探すのもありです。
有料のテーマですと下記あたりのテーマがブロガーに人気です。
どれもよく見るテーマなので、あなたが知ってるサイトで使われる可能性は高いです。
子テーマまで慣れてきたら、自分のスキルの中でできる自分の作りたいテーマを作ってみると良いです。
ちなみに私が初めて作った時は元のテーマよりも出来が悪かったのか、自分のテーマ適応したらサイトのアクセス数が下がる みたいなことが起きました…。
※絶対にテーマが原因かとは言えませんが。
しかしそういった経験も自分がマークアップや設計できていない部分などの理解なったのでいい勉強になったと思っています。
そして自分でブログのテーマが0から作れるようになれば、ポートフォリオのサイトを作れます。
なぜブログ→ポートフォリオという順番になるかと言うと、元々WordPress はブログを作るための CMS なのでブログのテーマを作るのは割と簡単です。
ですがブログ以外のテーマを作るという場合は考える事が増えて、別の知識が必要になってきます。
基本的にはよりPHPの知識が必要になったり、プラグインの知識、カスタマイズする知識、テーマに対する設計の考え方などです。
そういったいくつかの組み合わせて、自分できちんと判断できるにならないとポートフォリオを作った時に
うまく活用できないポートフォリオになってしまいがちです。
具体的にはカスタムフィールドであったりカスタム投稿タイプなどブログサイトで使わないようなWordPressの機能がポートフォリオを作る時には必須になります。
そのあたりはWordPressを理解するのにとても重要なポイントになるので、その辺りはポートフォリオサイトを作ることで学べます。
困ったときはコミュニティーに頼る
もしWordPressのことに行き詰まったら、分かる人に聞くのが一番です。
WordPressはコミュニティの活動が盛んなので、東京、大阪など様々な地域で毎月イベント(勉強会)をやってたりします。
「〇〇(あなたが住んでる地域名) WordPress meetup」で検索するとすぐに見つかるかもしれません。
最後に
今からWordPressを勉強するなんて古いと思われるかもしれませんが、今でもWordpress はWeb業界を支えている重要なCMSです。
みんなが使えるから覚えないという選択は確かにあるかもしれませんが、WordPressを覚えない選択をした価値以上の価値をあなたが出せるのであればそうしたらいいと思います。
WebデザイナがWordPress を使えるのは常識と言うと反感を買うかと思いますが、WebデザイナがWordPressを求められるシーンは非常に増えています。
もちろん初めから完璧を求められることなんてありませんが、基礎を抑えてきちんと何度か自分自身で経験をしていて成長していくことはできます。
業界に求められているWeb デザイナに近づくことはWordPressを通じるのが近道だと思います。
なぜなら私がそうしてきたからです。
業務の中でSEOや解析の知識などを学ぶのは非常に難しいです。
しかし私はWordPressを勉強することでその辺りの知識を学び今業務でいかせるところまで使いこなせています。
もちろん他の勉強方法もあるかもしれませんが当時の私にはこの方法しかありませんでした。
もしあなたが Web デザイナーとしての成長に悩んでいるのであれば、一度WordPressでブログを作るところから初めて成長してみてください(*ゝω・*)