私IT業界で働き続けてもう10年以上になりますがwebデザイナーを辞めたくなった事はあります。
ただ私は今もWebデザイナーを続けていますし、続けていてよかったと思えています。
もちろん、Webデザイナーに向いていない人、続けるのが難しい人もいますので悩んでる人の参考になれば。
どうしてWebデザイナーを私は辞めたいと思ったか
私の場合Webデザイナーになりたての頃に辞めたいと思いました。
私の場合は元々モバイルゲームでのデザイン経験があってWebデザイナーに転向した感じなのですが、「この業界で続けられれるかな…?」という風に悩んでました。
当時悩んでいた会社は不動産業界の会社で社内のITリテラシーも低く、パワハラが横行するような会社でした。
なので結果的には業界が悪いというよりは、会社(と私の周りの人)が悪かった(価値観が違った)だけなのです。
ちなみに今の私の価値観や将来のイメージはこちらに書いています。
現役Webデザイナーが将来性とキャリアについて考えてみた
Webデザイナーは長時間労働で給料は安い
就職した会社がまずそもそも作業量が多く、タスク自体の見積もりがスケジュール当初から溢れていても、知恵と努力でカバーするのが当たり前みたいな文化の会社でした。
タスクの見積もりは上司がするのですが「このくらいでデキるでしょ?」みたいな甘い見積もりばかりだったので、残業当たり前になり、終電で帰ることは珍しくなかったです。
当然会社としては、私の制作スピードが遅いみたいな評価になってしまい負のスパイラルに入っていました。辛い…。
給料のアップが難しいと思ったから
やっぱり長時間の残業は当たり前で、当時だとWebデザイナでもコーディングできるのは当たり前でjQueryやWordPressも求められていましたが、社内に私ほど制作スキルがある人はいませんでした。
元々社内では外部パートナーに制作を依頼するディレクターみたいなポジションの人が多かったのもありますが、JSはみんなコピペで書いてますし、WordPressの構築どころかインストールも自分でした事がないみたいな人たちばかりでした。
中途の新人とはいえ、制作スキルが1番あったのは社内の誰もが認めてくれましたし、私が適任みたいな案件もいくつかこなして結果を出したにもかかわらず、給料が全然上がりませんでした。
結局年功序列や社内でのインパクトが評価の軸になっており、言ってしまえばその人の気分で評価されてたと思います。
クライアントとの関係に悩みがあったか
不動産という業界のせいもあるかと思いますが、結構無茶言ってくるクライアントさんも多く当時の会社はそれを受けるのが当たり前みたいになっていました。
前もって約束していた期日を守れないクライアントさんから「今日アップして」みたいなのも多く、社内の雰囲気的には「クライアントの要望を聞くのは当たり前」みたいな感じだったので結局残業して無理してアップするような生活をしていました。
途中から私が仕事に慣れてきたり、信頼関係を築けてきたクライアントさんも増えてきたのですが、案件の担当替えやその人が退職していなくなるなどして人が変わってしまうと、結局また「むちゃを言われる」ような状態で信頼関係のリセットされるのにストレスを感じ、なんとかこれを脱出したいと考えていました。
転職を考えた際に考えていた不安
私のなりたいWebデザイナーというのは、「作ったWebサイトで価値を出す」ということです。
それは今も変わっていません。
なぜそうなりたいと思っていたかというと、そういったスキルがあれば当然給料も高くなるし、仕事にも困らないという安直な理由です。
実際に私はスキル面では高い方なので、当時でも結果を出しやすくやあったのですがWebデザイナーとしての評価なのか、私の評価なのか、評価が低い事をなんとか脱出したいと考えていました。
もちろん自分が自信過剰でそんなに価値は無いのでは…と悩んだこともありましたが幸いフリーランスの人や別の会社のWebデザイナーの方たちから私の評価は高い状態でしたので、その点は割と早めに解決できました。
自分にあった選択肢
退職が頭をよぎったときには、下記の選択肢がありました。
- Webデザイナーを辞めて異業種に転向するか
- 会社員を辞めてフリーランスになるか
- 普通に転職するか
Webデザイナーを辞めて異業種に転職するか
もうこうなるとWebデザイナーというかデザイナを辞めてしますみたいな感じで考えていました。
とはいえ、全然別の業種の仕事で何がデキるだろう…と考えたのですが結局10年以上やってるデザイン以外で自分が自身を持てるものは見つかりませんでした。
なにか勉強して資格を取るとかも現実的ではなかったですし。
最終的に思いついたのはマーケッターならデザインのスキルも活かせるので現実的ではないかと考えました。
マーケッターなら、「給料も高く、仕事がなくなる事がない」というところと、Web以外の業界でも活躍できるので、Web特有の無茶な価値観から離れられる、が選んだ理由です。
なお、マーケッターのことは下記の書籍がわかりやすいのでオススメです。
マーケティングの仕事と年収のリアル
会社員かフリーランスか
スキル的にはフリーランスになっても全然大丈夫と思っているのですが、自信がなかったところはきちんと定期的に仕事が取れるかというところです。
そもそもさっとフリーランスになったところで、案件がすぐ見つかるわけもありませんし、営業が大変なのも知っていますのでそのへんのリスクはきちんと考えていました。
薄利多売や制作会社の下請けでやれば、案件自体は見つかりやすいとは思ったのですがそれだと結局長時間の労働になるんじゃないかという不安が残ってしまいます…。
最近はフリーランスに案件を紹介してくれたりリモートワークも当たり前になってきてるので、選択肢が増えて特定企業に依存するようなリスクは緩和されてますが。
有名どころですとレバテックフリーランスやmidworksですね。
どちらも案件数が多いのフリーランスを考えられてる方は一度登録してみて自分ができそうな案件がどのくらいあるか調べてみてはいかがでしょう?
普通に転職するか
また転職ガチャするかという案も考えていました。
私は当時結局この選択になったのですが、次の転職先は元々知り合いだった人(社長)に誘われたので転職した感じです。
そこはシステム会社なので、社長もプログラマなので私のデザイナとしてのスキルもきちんと評価してくれるのと、他のメンバーもプログラマばかりだったので、コードを書くのが得意な私としてはWebデザイナーとして単身で価値を十分にだせる職場でした。
なお、転職を考えてる方で準備がまだという方は下記の記事が参考になるかと思います。
友人の転職相談とよくあるWebデザイナーの転職の悩み
Web業界の友人も多いので転職の相談も結構乗るのでよくある相談と私がしてるアドバイスを紹介します。
なお、私に転職を相談する人は軽い気持ちで転職を考えてるというよりは、結構真剣に考えてるというか鬱やブラック企業すぎる人が多かったりします。
Web技術やデザイントレンドの移り変わりが激しくてついていくのが大変
長時間労働の人にありがちなのですが、勉強する暇がないという方が多いです。
SNSや検索をしていると自分以上にすごい人がたくさんいて、自信がなくなる。
若い人でも自分よりすごい人がたくさんいてこの先続けれるか不安というタイプの方からよく来る相談です。
これに関しては、「なんでもやろう」とするんじゃなくて「自分が何が得意なのかを見極めては?」とアドバイスしています。
Webデザイナーといっても求められる事が多いのですが、なんでもやろうとしたら無茶というか時間がいくら合っても足りません。
駄目なディレクターに休日出勤や残業続きになる
この相談を受けるときは分業体制の会社が多いですね。
会社の価値観としてこのディレクターの仕事っぷりを放置してるのが問題になるので、自分がディレクター業をできるようになるか、それが無理なら転職して別の価値観の会社に転職したほうが確実だとアドバイスしています。
社内で改善するという方法もありますが、正直いって立場の低い方が制作フローや価値観を変えるのは多大な時間と労力がかかるので全然オススメできないです。
そのパワーは転職に向けて使ったほうが有意義になるかと。
転職に関しては自分で転職サイトで探すよりは、転職エージェントに頼ったほうが色々相談や質問もできるのでミスマッチが減るかと思います。
転職エージェントの選ぶ基準は下記にまとめています。
Webデザイナーからみた転職エージェントと転職サイトの有利な使い分け
仕事だけでプライベートがない平日が辛い
長時間労働が当たり前の方からよく相談を受けるやつです。
私もそうだったのですが、たまに早めに帰宅できると、「家で何をやっていいかわからない」みたいな変な感覚に陥ります。
人と会おうにも急に平日に誘える友人がいなかったり…。
こういった場合も先程と同様、転職を薦めています。
長時間労働の職場このまま居続けるか考えるのは下記です
- 歳を取っても今の働き方でいけるか
- 今の会社で続けて上司のような働き方をしたいか?
- 仕事だけの人生でこのまま良いのか
を考えると大体の人がNGになるんじゃないかと思いますので転職を勧めてる感じです。
長時間労働なのに、給与が少なく昇給もない
長時間労働 = 給料が高いというわけでは無いです。
ただ生産性が低いという状態で、誰にでもできる仕事を任せられているという状態なのを伝えます。
当たり前ですが、長時間労働で給料が少ないのは評価が低い状態です。
その人にしかできない仕事であれば、普通は会社も給料を高くして、離職させないようにします。
また長時間の仕事で体を壊してしまっては利益に関わるので、複数人の体制にしてリスク分散をするくらいの判断は普通します。
それすらもできない会社であれば、あなたを全然評価していないか、そもそも人にお金をかけれるほど利益を上げることができない会社なんだと思います。
利益が上がっていない会社というのは、潰れる心配もありますが給料が上がるのがそもそも難しい会社ということになりますので、本当に今のまま働く価値があるのかを判断してみてはいかがでしょう?
スキルと営業力に自信があるようなら、フリーランスになるのも良いですし、そうでなくても転職するだけで評価が変わる場所で働ける可能性はグッと上がります。
月給16万円のブラック企業で超消耗してた友人が、最近転職して月給30万円のピュアホワイト企業に。
本人いわく
「前の会社が普通だと思ってた」
と。これあるあるなんですけど、自分から見える世界だけが「普通」になっちゃうんですよ。
ヤバイと思ったら外の世界を見に行ったほうが絶対良い(><)
— とっとこランサー@伝える人 (@Tottokolancer) 2018年11月15日
私の場合は転職の上手なやり方がわからなかったので転職エージェントにフォローしてもらったのが良かったです。
なお私がそのときお願いしてたエージェントはDODAです。
クリエイティブな事がやりたかったのに「言いなりの実務」ばかり…
Webデザイナーって華やかな職種に見えがちなのですが、実際にはディレクターやクライアントの言いなりになりがちです。
言いなりばかりですとやりがいなんて無いですよね。
そういった場合は転職してもうまくいくかは怪しいので、まずは自分のデザインや提案に価値があることを伝えれるようにできるするのをオススメしています。
具体的には、アクセス解析をして自分のやったデザインが利益を生み出してるのを証明できるようにするか、経営者目線を持ち、ユーザーの事やコンテンツの提案をきちんとできるようにして、クライアントを説得できるようにマーケティングの知識を得ることです。
アクセス解析は、Googleアナリティクスを覚えるだけで結構変わるので、簡単ですがマーケティングの場合は何から手を付けていいのかわからないと思いますので、マーケティングを網羅的に動画で学べる、グロービス学び放題がオススメです。
私も使っていますがめちゃくちゃ良いです。
ブラック企業すぎて辞めるのを言い出せない
退職ができなくて困ってる人は無料相談窓口がありますので一度そちらに相談してみてはいかがでしょう?
基本的には退職届を出せば辞めれるのですが、そんなに素直にいかない場合もありますしね…
NPO法人POSSE
- 03-6699-9359
- soudan@npoposse.jp
- ホームページ
NPO法人。訓練を受けたスタッフが法律や専門機関の「使い方」をサポートします。
情報労連
ブラック企業ユニオン
- 03-6804-7650
- soudan@bku.jp
ブラック企業の相談に対応しているユニオンです。
総合サポートユニオン
- 03-6804-7650
- info@sougou-u.jp
- ホームページ
個別の労働事件に対応している労働組合。労働組合法上の権利を用いることで紛争解決に当たっています。
ブラック企業被害対策弁護団
- 03-3288-0112
- 「労働側」の専門的弁護士の団体です。
会社を辞めたほうがいいのかの判断基準
転職は慣れないうちは結構勇気とパワーがいるものです。
絶対に転職したほうが幸せなんてことはありえないので、慎重になりますよね。
私がいつもアドバイスしているのは下記です。
- 人に相談してみる(他業種も含む)
- Web業界でデザイナー職として働き続けるメリットを、自分自身で再整理してみる
- このまま会社にい続けた3年後の自分を想像してみる
- 今の会社でしかできないことはあるか考えてみる
- 自分が転職した場合のメリットを整理して考えてみる
大体の場合「転職したほうがいいな」という結論になるんじゃないかなと思います。
もちろん、家庭があったりですぐに転職できないという場合や貯金やスキルがないなどすぐに一歩を踏み出せない場合はあるかと思います。
そういったときのオススメはコーチングです。
自分では思いつかない解決方法が見つかったり、自分が普段目をそらしてる自分ときちんと向き合えます。
私も最近コーチングを受けて、満足度が高くなり(退職ではないですが)新しい事を始める切っ掛けになりました。
初めてのコーチング体験。cotree(コトリー)を使ってカウンセリングを受けた
まずはちゃんと転職するぞと決めて、動き出すのが重要です。
「いつか転職するぞ」だと業務に追われてすぐ忘れちゃうので。
私のオススメはどこでもいいので最低1つ転職エージェントに登録することです。
なぜなら定期的にエージェントから連絡が来るので(もちろん、今転職の意思がないと伝えれば連絡は減ります)転職のモチベーションが簡単に維持できます。
退職のやりとりがめんどくさい・恫喝が怖いという場合
最近は退職代行サービスというものがあります。
私が知ったのはtwitterでバズっていたのをみたのがきっかけです。
「「退職代行サービス」で無事?退職できたアカウントの話」
このブームがきっかけか、退職代行が一般認知されて、同様のサービスも増えており利用する方もどんどん増えています。
これらのサービスは法律に詳しい専門家の方が、あなたとあなたの会社の仲介に入ってくれるというものです。
私の知っている限りでは、以下のサービスが新規で立ち上がっています。
おはようございます。
本日、退職代行exitを利用させていただき、無事に退職しました。
この退職代行について、
賛否両論あるとは思いますが。ひとつだけ言えることがあります。
我慢して死ななくてよかった。
退職は悪いことじゃない。
新しい次への一歩だ。#退職代行 #exit #退職— ケイタイカラシ (@ikarashi1985) 2019年3月4日
私も経験があるのですが退職は多くの場合めんどくさいです。
恫喝されたり、半年以上先に退職時期を指定されたりと思うようにはいきませんでした。
「退職代行を使うのは甘え」とは思わない。実際、酷い会社はあるからな。でも「わざわざお金を払う必要なんてないのに…」とは思う。
・退職届受け取らない!⇒内容証明郵便で送れば届いた時点で受理したことになる
・離職票発行しない!⇒ハロワで仮手続できる
・辞めたら損害賠償請求!⇒認められない pic.twitter.com/vJ2OEdGTZG— ブラック企業アナリスト 新田 龍 (@nittaryo) 2019年6月18日
まぁそういった会社だったので、辞めて正解だったとは今は思っています。
相談するのに抵抗がある場合はメールやLINEで相談に乗ってくれるところもあります。
汐留パートナーズ法律事務所の退職代行サービス
最後に
私はあまり万人に好かれるタイプでもなかったので、若い頃は働き方で苦労をしました。
ただ今はこれまでの努力もあってかなり選択肢が増えたり、意図せずとも人に評価される事が増えたのでやっとイージーモードな気持ちです。
働き方や働く場所を変えた途端、才能開花する人いますので、今の場所で「自分は駄目だ」なんて思わずに、辛い気持ちになるくらいなら新しい一歩を踏み出して、チャレンジしてみてください。
少なくとも私はそれでいい感じになれました。
長時間労働やパワハラはあなたの思考を奪って正しい選択ができなくなってることがよくあります。
そんなときは人に相談するか、他の会社はどうなのかなど情報を集めてみてください。
自分でも気づかないうちに心が弱ってることなんてよくあることです。
仕事に殺される前に賢い選択をしてほしいです。
私も相談された友人に即日退職届を出させるということをこれまで3名に出させた事があります…。(笑えませんが…)
私としてはWebデザイナーを諦めず続けてよかったと思っているので、周りの環境であなたが損をしているのでしたら新しい環境でチャレンジする勇気を持ってもらえたらこの記事を書いた甲斐があるってもんです(ゝω・)
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