これまでいくつかWebデザイナーになりたい方向けにブログの記事を書いてきましたがこの度私の記事を見て、それを実践されてWebデザイナーになったと連絡頂いた方がいます。
元々グラフィックデザイナーをされていた方で、2019年の2月に初めてWebデザイナーになったサツキ(仮名)さんです。
今回、独学でどのようにWebデザイナーになったのかをインタビューをしてきました。
内定をとって就職をされたのですが、残念ながら、ブラックな企業に巡り合ってしまったようで初出社してから数日で、すでに退職を予定されています…。
この記事では、サツキさんへのインタビューを通じて、独学でどのように勉強をしていったか、Webデザイナーとして就職するまでの流れ、ブラック企業に取り込まれない方法、今Webデザイナーになって気になっていることなどをご紹介します。
サツキ(仮名)さんの経歴を簡単に教えていただけますか?
はい、これまでグラフィックデザイナーとして10年以上働いていました。
前の会社で3社目の経験で、今の会社は初めてWebデザイナーとして働いている会社で、4社目です。2月末に退職しますけどw
前の会社には結構長くいたのですが、今後この会社にいてもスキルは伸びないという不安や上司との人間関係で悩んでいたところがあり、ずっと前から転職を考えていました。
仕事ではパンフレットやカタログなどの制作が多かったので、得意なデザインツールはInDesignです。
画像加工や合成もよくやっていたのでPhotoshopもよく使います。
どうしてWebデザイナーになろうとしたんですか?
最初はこれまで通りグラフィックデザイナーでの転職を考えていて、そういった求人ばかり応募してました。
元々ネットサーフィンが好きだったのと、以前からWordPressでブログをやってたりしていたので、途中で「Webのデザイナーもありじゃないか?」と思ってWebデザイナーの転職も視野に入れ始めました。
途中から本格的にWebデザイナーでの求人に転向したのには、グラフィックデザイナーとして働き続けていくのに不安があったからです。
元々働いていた会社での不安をなくすために転職を考えていましたが、転職活動をする中でその不安を払拭できる会社に巡り会えなかったので、Webデザイナーへの転向を考えはじめました。
転職したかった理由の一部ですが例えば、以下のような理由です。
- 前の会社はルーチンワークが多くクリエイティブな作業が少なかったのでモチベーションが上げづらかった。
- 案件が同じものばかりだったので制作フローが固定されて、スキルの向上ができないと思った。
- このまま働くと今の会社に最適化されるだけで、他の会社で認められる自信がない。
- 職場には50代くらいの派遣のグラフィックデザイナーがいるが、雑用ばかりで自分も同じような需要で働くのが不安。
- Webデザイナーになれば、フリーランスやリモートワークなど様々な選択肢があり将来的に柔軟に働けそう。
他にもWebデザイナーに憧れてた部分ではグラフィックデザインと違い、数字計測がしやすいので「自分のデザインでどう売上が変わるのか」を知れるということです。
デザイナーの給料は海外に比べ低いですが、きちんと数字で結果を見せることができれば、自分のスキル的な価値が伝えられるので、Webデザイナーになって成果を実感できる仕事をしたいと思っています。
どうやって独学でWebデザイナーの勉強したのですか?
元々10年位はグラフィックデザイナーとして働いていたので、デザインの基本みたいなところはわかってるつもりです。
自分に足りないと思っていたのは「Web特有のデザイン」でした。
文系の大学に在学していた頃、私塾みたいなところでデザインを2年くらい学んでデザイナーになった経緯もあって、自分で勉強していくスタイルには元々慣れていました。
まずは今、自分のデザインスキルをWebのデザインにも転用できる事を目標にして重点的にインプットとアウトプットしていきました。
具体的な目標としてはポートフォリオに載せれるものをまず作るということをやっていきました。
Webデザインの勉強について
実際にやった内容は、まずはバナーの模写。
それからWebサイトの模写です。
難しいことをやると、モチベーションが続かないのでまずは小さいところから徐々に徐々にとやっていきました。
Webサイトの模写についてはただ模写するだけじゃなくて、「自分ならこうする」みたいなアレンジを加えて作っていました。
デザインの勉強で重要視したのが、「Webとグラフィックのデザインの違いを知る」事です。
ここが押さえられたので、すぐにポートフォリオにも活かせてコーディングするときのレイアウトを考えるのも楽になりました。
Webデザインのイメージとかは下記の本が良かったです。
デザインツールはPhotoshopを使っていました。
もともと仕事ではInDesignを使っていたので、Illustratorを使うか迷ったのですが、Photoshopを使ってる人が多そうだったのでこちらを選びました。
コンチさんにも「今から覚えるならadobeならXD,Macを使ってるならSketchのどちらかを選ぶと良いよ」と言われました。
当時はXDにも興味が合ったのですが、当時自分の使ってるパソコンのOSが合わなかったので使えなかったと思って諦めましたが、
MacをバージョンアップできてXDが使えることがわかったので、ここ数日でXDの練習を始めました。
私はPhotoshopが主流だと思ってたのでXD,Sketchが主流なのは意外でした。
- コンチの感想
- ポートフォリオに載せるものという視点はめちゃくちゃ良いですね。
独学で勉強される方の多くが、勉強したあとどうやってポートフォリオを作って良いのかわからない、自分は何がしたいのかわからなくって挫折するという人がたくさんいるので、きちんと就職のためにはなにが必要なのかを最初に整理されてるのはさすがです
コーディングの勉強について
コーディングは今もそんなに得意というわけでは無いのですが、Webデザイナーになるなら必須かなと思って苦手だと思っていても覚えました。
まずがHTMLとCSSの基本的なところから覚えて行きました。
エディターはサブライムテキストを使っていました。
コーディングの勉強は周りに誰か教えてくれる人もいるわけではなかったので、最初は本を読んで覚えました。
そのときに使ってた本は以下のものです。
それからはドットインストールでHTML・CSSの勉強もしました。
その後コンチさんのサイトでProgateの事を知ったんですが、Progateがものすごく勉強しやすくて、有料会員になって1ヶ月集中してコーディングを勉強しました。
一回やるだけでは全然覚えられなかったので、繰り返しわかるまで勉強してようやく覚えられました。多分HTMLとCSSのレッスンは4周くらいしてますw。
このくらいの勉強量で簡単なサイトは作れるようなくらいにHTML/CSSは覚えて、下層ページとか量産したり修正はできるくらいになってます。
JavaScriptとjQueryも少しやってみたのですけど、やってみたら難しくて覚えるのに時間がかかりそうだったのでやめました。
転職活動でJavaScriptが使えると有利かなと思っていたで本当は覚えたかったのですが、面接では全然聞かれませんでした。
他にも良かったコーディングの勉強方法としてはUdemyです。
私レスポンシブが苦手だったのでCSS3+メディアクエリで「レスポンシブWEBデザイン」サイト作成をマスターするで勉強しました。
他の部分は未経験からプロのWebデザイナーになる! 400レッスン以上の完全マスターコースで網羅的に学びました。
コーディングが自分でできるようになったからポートフォリオも自分で作れたので、覚えてよかったです。
- コンチの感想
- コーディング苦手って言う人はすごく多いのですが、サツキさんは何度も繰り返しやってるの良いですね。
私も教えててよく思うんですが、苦手と言ってる人達は単純にコーディングを覚えるための時間が少ないのにわかった気になる人が多いのかなと思います。サツキさんがされたように繰り返してやらないと普通に覚えれないものだと私も思います。
コーディングはわからないばかり言ってる人がやった努力といえば、本を何冊も買うものの読まなくて積んで終わってる。なんて人も多いのでそういう人は残念で仕方ないです。もしかすると今この記事を読んでいてグサッと思ってる人もいるかもしれませんね…。
スクールで学びたいという考えはありましたか?
はい、ありました。
最初はすぐ会社を辞めて、職業訓練校にいこうとしたのですが、
ただ私の場合、すぐに会社を辞めれる状況じゃなかったので諦めて独学でやりました。
もしスクールに通っていたら友達もできたんじゃないかと思うと少し羨ましくはありますが、今は独学で就職はできたのでどっちでも良かったと思ってます。
スクールに通わなくても今はネットで調べたらいくらでも情報が出てくるので、昔ほどスクールに通う必要性はないのかなと思っています。
私はWebデザインの師匠みたいな人はいないのですが、わからない事を調べて見つかったブログの人達はみんな先生だと思っています。
もちろんコンチさんもその一人です。
独学で勉強しにくかった部分はありますか?
ずっとグラフィックばかりだったので、実際に仕事ではどんな風に進むのかはイメージしにくかったです。
仕事のスピード感やファイル管理やフォルダ構成とか効率が良いものはどんなのだろうと悩んで時間がかかってしまいました。
そういう風にわからない部分はスクールやオンラインスクールとかに通って聞けたら良かったなと思います。
スクールとオンラインスクールもリアルに会うか会わないかくらいの違いかなと思っていてどっちでもよかったのですが、オンラインスクールだと自分のペースでできて、さっきみたいな独学の延長でできて自分に合ってそうと思います。
気になっていたスクールは、CodeCampかTech Academyが良さそうと思ってました。
通学なら、TECH::EXPERTもちょっと考えていました。
どうして、Webデザイナーになるまで頑張り続けれましたか?
モチベーションとしてはネガティブかもしれませんが、「上司を見返してやりたかった」というのがあります。
私の上司は人を見下して、人の頑張りを認めないし、特別スキルが高いってわけじゃなくてただ一番長く続いてるから偉くなったようなタイプの人だったんです。
社内のできる人達は、そんな上司や仕事内容にどんどん見切りをつけて辞めて行きました。
早い人だと1週間くらいとかで見切りをつけれて辞めてしまうくらいにひどい状況でした。
私は7年ほど前の職場で働いていて、長いほうなのですがそれでも上司には嫌味な事をいわれていたので、ちゃんと内定を決めてから辞めようと思っていたんです。
ただそんなブラックな感じなので、すぐに辞めるのも難しくて…とりあえず繁忙期が終わったら辞めるって話しで落ち着けたので絶対にその間に内定を決めて、清々しい気分で退職したかったんです。
そうやって就職するまでの期限を決めて逆算して行動できたから、モチベーションも維持できました。
期限は内定の時期だけじゃなくて、ポートフォリオもいつ提出できる状態にまで持っていくかとかもきちんと期限を決めてやれたのも良かったです。
ポートフォリオがなかったらそれだけ就職活動できる期間が短くなるので、死活問題なのはわかっていましたから。
デザインも全然やったことない人でもWebデザイナーになるのは可能だと思いますか?
はい。全然なれると思います。
今は私がデザインを学んだ頃より良質な情報も見つけやすくなってますし、教えてくれる人も見つけやすいです。
全然独学でデザインを学ぶこともできますし、私と同じようにコーディングも地道に勉強すれば覚えれると思います。
デザイン未経験者はどのようなところから勉強していくと良いと思いますか?
まずはデザインツールを使えるようになるところかなと思います。
それから、デザインの基礎みたいなところをじっくり手を動かして身につけていくと良いかなと思います。
有名どこばかりですがデザインの基礎を押さえる書籍としては、
あたりは押さえておきたいですね。
あと、手を動かして覚える本は「デザインの教室 」が一押しです。
それから、デザインを覚えていくモチーフは「自分の興味があるモノ」からデザインを始めると、デザインに苦手意識があって嫌になっても好きなものが対象ならそんなに嫌にもならないので続けやすいです。
3ヶ月でWebデザイナーになるみたいな講座もありますが、いきなりそういうものに手を出すよりは自分の興味あるもので続ける事のほうが自分のスキルになりやすいと思います。
少しずつ慣れてきたら、他の人に見せてレビューをもらうと自分になかった視点が見えてきてもっと良くなりますから、恥ずかしがらずにやったほうが良いです。
デザインの質が早く高くなれば、ポートフォリオの質も早い段階で高いものになります。
レビューをもらうのは昔は難しかったかもしれませんが、いまはTwitterやデザインのコミュニティーみたいなのもあるので、そこで聞くとフィードバックをもらいやすいです。またそういう場があると、他の人の作品や頑張りが見えるのでモチベーションを維持させやすいです。
先程紹介させてもらった本以外ではデザイン系の勉強には下記がオススメです。
お知り合いの中でWebデザイナーになりたかったけどなれなかった人達の共通項などはありますか?
Webデザイナーではなく、グラフィックデザイナーでの共通項みたいなものはあります。
一番多いのはデザイナーという職業に憧れが強い人ですね。
デザイナーという仕事は、楽しいとかかっこいいばかりではなくて泥臭いこともたくさんあります。
クライアントに自分の納得いかないダメ出しをされるとか、スケジュールに振り回されるとかたくさんあります。
もちろん、自分の好きなもの、得意なもの以外もやらないといけない時もたくさんありますし、写真の切り抜きや加工など地味で細かい作業もたくさんあるので、決してキラキラばかりの仕事ではないです。
憧ればかりでデザイナーになる人は向いてないと思います。
他にも自分でアイデアを出せないで言われたことしかできない人や、自分で考えて作れない人は、デザイナーになれてもどんどん辞めて行く人が多いですね。
なかなか難しいですが、自分でどう環境を選んで自分を成長させるかを考えて実行できないとデザイナーを続けるのは難しい気がします。
ポートフォリオについて教えていただけますか?
ポートフォリオはWebの勉強を始めて1ヶ月後くらいからつくりはじめました。
グラフィック用のポートフォリオは2週間くらいかけてイラレで作って、PDFバージョンも作りました。
それからポートフォリオ用のWebサイトを作ったのですが、おもったより時間もかかって大変でした。
はじめは簡単なものを作ったのですけど、それは採用担当の人にウケが悪かったです。
途中で自分のコーディングのスキルも上がったので、作り直したらそこから選考に通りやすかったです。
作り直しは時間的にも技術的にも大変でしたけど、ちゃんと自分が今できるものに作り直して良かったです。
作り直しのタイミングでレスポンシブ対応もできました。
ポートフォリオはまとまった時間ができたら作るというわけではなく、毎日ちゃんと作る時間をとって作業してました。
なので、スケジュール通りに作れました。
最終的に2ヶ月半くらいかけて今のポートフォリオサイトを作りました。
私の得意分野は「女性向けのデザイン」あと「画像の合成」だったりするのでそのスキルはきちんと見えるようなポートフォリオにしました。
ちなみに苦手なところは、チラシのデザインとコーディングです。
ポートフォリオの作品で褒められたところは、自分ではちょっと意外だったのですが、前職で作っていたカタログの部分で、手間、細かさ、少人数でやってるとことかを評価される事が多かったです。
他には、要素のまとめ方や文字のあしらい方はグラフィック経験が長かったのもあって褒められました。
ポートフォリオを作るときに参考にした本は下記です。
- コンチの感想
- ポートフォリオが無いと転職活動ができないのは本当にそうですね。私もポートフォリオがない人は問答無用で落としてました。
ただでさえ自分のスキルって伝えづらいのにそんな中で自分の良さをわかって欲しいと考えてる人とはちょっと一緒に仕事できるとは思えていないので。
よく「やる気はあります!」みたいな人で気合で入社したがる人いるのですが、正直いってやる気があるならちゃんとポートフォリオ作ってそれから応募してくださいって内心思ってる採用担当の方多いと思います。
転職活動をどのようにされていったか教えてもらえますか?
まずはポートフォリオを作ってから転職活動をしました。
私自身も前職で面接に入ったりしていて、ポートフォリオがないと選考できないのは肌で感じていたので。
転職サイトはリクナビNEXTとマイナビで行い、
転職エージェントはワークポートとDODAの両方で行いました。
DODAは私に合う求人が少なかったのか、気になる求人がそんなになかったので、メインの転職活動はワークポートで行っていました。
ワークポートは担当の人と相性が良かったのと、グラフィック系の求人もあったので就職活動しやすかったです。
担当の人は押しが強いとかも全然なくて、自分のペースで応募できました。
今まさに転職活動中なのですけど、またワークポートに登録して同じ担当さんになったのでちょっと安心しています。
ちなみに今受かった会社はマイナビです。
マイナビが悪いということは全然ないのですが、今度はブラックな会社に就職しないように色々なサイトの情報をみたり面接でしっかり私も見極めないといけないなって思ってます。
どういう基準で求人を探されましたか?
Webデザイナーとして採用されたかったのと今後のスキルや転職活動のしやすさを考えて、デザインとコーディングの両方をできるところで探してしました。
これはコンチさんのWeb業界の分業制のコワイところの記事を見た影響もあるかと思います。
会社は求人情報だけじゃなくて、ちゃんと自社のWebサイトがあって制作実績を公開しているか、その内容に興味を持てる内容かを見てました。
あと私朝の早起きが苦手なので、始業時間が9:30以降の場所で探してました。IT業界の会社はだいたい10時くらいから始業の会社が多かったですね。
他には「アットホーム」とか「圧倒的成長」みたいなウェイしてる感じの会社はNGにしてました。
私は求人情報はしっかり見るほうで、求人票に書かれている日本語が正しくないところはいい加減な会社かも?と注意をしたりしてました。
それらの条件をクリアしたら、次は会社の口コミサイトの、 転職会議とvorkersを見てました。
気休めかもしれませんが、あまりにもひどい事が書いてある会社はちょっとな…と思って応募をやめてます。
ちなみに受かったブラックな会社は、そんなにひどい口コミもなく良いことが書いてあったのですが、よくよく考えてみると、少人数の会社だと書き込みした時期で誰が書いたか想像しやすいので、少人数の会社の口コミはアテにならないかも…と今は思っています。
- コンチの感想
- 本当に今はコーディングのできない人は転職活動がしにくいと思います。多分デザイナーの現場の人ではなくてディレクター採用とかそっちのほうが多いんじゃないかなと思います。
私の友人も30代前半ですが全然転職活動はうまくいってないみたいです。求人もあったとしても、ブラック感があったり今の会社と似た雰囲気だったりと結構選択肢が少ない状態みたいです。
かっこいいデザインにお金を払うクライアントがどんどん減っているので、しかたないといえば仕方ないのですが世知がないですね。
(ブラックな会社みたいですが)今の会社に決めた理由はなんですか?
第1にデザイン、コーディング両方できるというところです。
それと、上司がいないフラットな組織というところと聞いて、自由に働けそうなところも魅力に感じてました。
あと育休中の社員もいるということで、少なくともその人は「復帰して働きたい会社。働きやすい会社」なのかなと思って安心してました。
入社してからわかったことなのですが、実は実際は育休中の社員はいなかったんですけど、このへんはちょっと事情が複雑そうなので追求するのをやめました。
私を採用した理由もこっそり聞いてみたのですが、過去の経歴から気合と根性がありそうというのと、デザインがまともにできる人がいないといったところみたいです。
出社初日から「ここ大丈夫?」という気持ちから帰る頃には「ここないわー」ってなって1週間も経たないうちに退職を決めました。
こう今思い返してもひどい会社ですねw。
ただ少しの間だけでも現場に入れた事に価値はあったと思います。
この会社のやってることが必ずしも正解というわけじゃないと思いますが、パスワードの管理方法やテストサーバーのことや大量ページのコーディングの方法などは知ることができました。
今回の経験でデザインとコーディングの経験ができるならどこでも良いというわけじゃないというのがよくわかったので次回から注意したいです。
私自身、自分の作ったデザインでどう売上を上げるか考えて仕事をしたいと思いっているので、次はもっと仕事内容や社風や考え方をしっかり見定めないとなって思ってます。
別に正社員じゃなくてもよいので、バイトや派遣から入るのも良さそうと考えてます。
- コンチの感想
- 早い決断流石です。多分ですがそこで頑張っても正当評価されるのは難しいのかなと私も思いました。
自分の価値って場所が変わっただけで、すごく変わったりもしますのでサツキさんが認められる会社を見つけてくださいね。
おっしゃるように、正社員からじゃなくて、派遣などで色んな現場を見るのは良い方法だと思います。最近私の友人も派遣&フリーランスみたいな生活をしてる人もいて、派遣社員のWebデザイナーのメリットを活用してる人がたくさんいます。
そのあたりの話は、「現役Webデザイナーが教える派遣Webデザイナーの働き方」で紹介しています。
転職活動をはじめるにあたってやっておいて良かったことはありますか?
早いうちに転職サイト、転職エージェントに登録しておいたのは良かったです。
履歴書や職務経歴書を書くのって思ったより時間もかかるし体力もいるので、後半にやってたらスタートが多分自分の想定より遅れてしまったと思います。
またPDFのポートフォリオも早めに作っておいてよかったです。
Google Driveに置いて共有リンクを選考メールの中に貼っておけば、Webサイトがなくてもスキルを見て頂けるので。
あとちゃんと貯金をしておけたので、もしものときのリスク回避はできていました。お金の心配は少なかったので自分の人生の選択肢を狭めることはなく安心して転職活動に専念できました。
転職活動のときの思い出などを教えてもらえますか?
転職活動の中で苦労をしたのが、面接周りです。
グラフィックからWebへの転向なのもあって志望動機を考えるのに苦労しました。
はじめは志望動機を検索して例文ベースで志望動機を作っていたのですが、全然面接にも受かりませんでした。
途中から、志望動機を、「今これができて、今後こうなりたい」といった自分の言葉で採用担当の方に自分の価値を伝えるように書き換えたら面接まで通りやすくなったのを実感しました。
当たり前かもしれませんが、ありきたりな志望動機よりはちゃんと自分の言葉で自分の事を伝えたほうがよいですね。
面接まで通るようになってきたら、面接の時間の確保が大変でした。
退職を伝えたものの、業務量が多かったので有給をそんなに簡単に使える状況でもなかったので。
休むための言い訳はいくつかあるのですが例えば、「電気工事がくるので午前中は休ませてください」と言って納得してもらいやすい理由を考えて面接の時間を確保してました。
そのときは、着替えをコインロッカーに入れて面接が終わったらスーツから着替えて出社していました。
転職活動をしながら勉強もしつつ働く生活をしていたのでとにかく時間を作るのが難しかったのですが、退職日も会社に告げて自分を追い込んでたのでなんとか続けられました。上司を見返したいという気持ちもそんな生活の中で支えになっていました。
もしかして察してもらってるかもしれませんが、そんな上司と一緒だったので退職希望の話しをしたときは揉めました。
定型文みたいに「みんなが困るだろ!」とか言われたんですが、それを困らないようにするのが上司の仕事なのに私にその責任を押し付けるのって変だなぁと思いながら、なんとか退職の交渉ができました。
退職することが決まってからの期間は、お互い必要な会話しか上司としなくなったので気が楽になりました。
面接時の質問で印象深いものはありますか?
「仕事でうまくいった事は何か」という質問は答えるのに苦労したので、印象に残っています。
そのときは、私が「ページの構成を提案したら売上があがった」という話しをしたのですが、面接官の食いつきは良かったです。
苦手なことは、外注への依頼やカメラマンの指示が難しいといった事を伝えています。
逆に私が質問をしているものは下記とかです。
- 仮にきまったら仕事なにするのか
- チームの役割と人数
- メンバーの年代・性別
- PCのOSは何か
- どんな経歴のかたは?グラフィックの経験がある人いますか?
いまだからこそ思う、こうすれば良かったみたいなことはありますか?
いきなりブラックな会社を当ててしまったからなんですが、面接を受けたときの違和感をもっと大事にして、人に相談したほうが良いなと思っています。自分だけで考えてると自分で気にしすぎとか思ってスルーしちゃうんですよね。
あと社長の前職は調べておいたほうがいいなと思っています。
社長が営業なのか、デザイナーなのか、エンジニアなのかとかで評価軸も変わると思うので。
前職は7年務めてましたが、スキルが上がってる実感がなかったので、もっと早く転職活動してたらよかったです。
やっぱり年齢での印象は少なからずあると思いますし。
転職活動は古いPCでやってたのですが、きちんと良いスペックのPCを買っておくべきでした。勉強も転職活動も良いPCに変えるだけでもっとスムーズにできてたと思います。
Webデザイナーになったら結局買うものですので、後回しにして失敗したと思ってます。
他にもポートフォリオはもっと早い段階で人に見てもらえたら、成長も早かったかなと思います。
一人で続けるのって限界もあるし効率的じゃないので、ちゃんと人に助けを求めればよかったと思ってます。
デザイナーあるあるですが、そのとき自分でも「いいじゃん」と思ってるものでも、翌日で見たら「コレ変じゃん」みたいなのもありますし。
- コンチの感想
- 面接は本当に慣れが大事なので、行きたい会社に送る前に違う会社で面接にいったり友人に面接の練習に付き合ってもらうの大事ですよね。転職エージェントだとそういった面接の練習をしてくれる場所もあるので、面接の練習をしたい人は転職エージェントに相談するのが手っ取り早いかと思います。
PCについてもあるあるですね。私も古すぎるPCで作業してる人を見るともったいない…って気持ちになるのですが、その人が本当にWebデザイナーになりたいのかもわからないので安易に高価なPCを勧める事もできず悩んでいます。
最近の必要なPCのスペック周りは「これからWebデザイナーになりたい人にオススメするパソコンの性能の見方」でまとめています。
何か私(コンチ)に聞いてみたいことはありますか
ブラック企業の見極め方を知りたいです
よく聞かれますが、難しいですね。こればっかりは慣れな気がします。
求人票をみてここはこういう会社かなーみたいなのは業種をみればなんとなくイメージできるところが多いので、そのあたりで面接時にこういった点を聞いてみると良いよみたいなのをよくアドバイスしてます。
例えば、使用しているデザインツールに「fireworks」があったら、今も使ってるのか?なぜ使っているのか?を聞いたりとかですね。特別な理由がない限り、今fireworksでデザインするとかありませんので。
この辺はブラックな会社というか古い体制の会社の見極め方かもしれませんが、良い会社って合理的なところが多いのでそのあたりから違和感は探れるかなと思ってます。
あとは面接時に無難な事を聞くんじゃなくて思い切った事を聞いたりして、面接官が嘘やええかっこしいな事を言っていないか聞きます。
突っ込んだ質問をしていくと、結構ボロや矛盾がでるのでそういったところでは自分は働きたくないなーとおもってやめてます。
逆に正直で自分たちの弱みを見せてくれる面接官や社長さんだと好評価になります。
面接って自分が見られてるだけじゃなくて、自分も見てる場所なので変に遠慮はしなくていいと私は思ってます。
そんな遠慮しないと入れない会社で数年働きたいとは思わないですし、面接官が自分の事をエライと誤解してるようなところは避けたほうが良いんじゃないかなと思います。
採用される側はお金をもらって、働くだけなのでどっちが上とかじゃなくてイーブンな立場だと思っています。
お互いWIN-WINな面接をできる会社だと良い会社さんが多いですね。
※少なくとも私は働きやすいです。
転職したいときや勉強内容はどういうきっかけで選んでいますか?
転職も勉強内容も市場価値について考えた結果ということが多いです。
今の自分のスキルが他の場所のほうが活躍できそうならそっちの業界の転職を考えます。
もうこの会社にいたくないなーと思った転職は正直ありますが、そういったときでもただ転職するとかではなくて、次の1手(今後どのスキルを身につけるか)を考えて転職をするようにしています。
このあたりの話は、「現役Webデザイナーが将来性とキャリアについて考えてみた」でまとめてあります。
勉強内容は昔はみんながやってるからという理由で色んな所に手を出していましたが、今は自分が今目指しているスキルにすぐ使えるかというのを大事にして選んでいます。
もちろん途中で使わなくなった言語などもありますが、そういうものは使わなくなってもあのとき勉強しておいたことが活きると感じることはよくあります。
今はUIデザインの方に興味があるので、そっちを中心に勉強しています。
どうやって独学で学んでこられたのですか?
独学で学んだことは、ぼっちでも独学でWEBデザイナーのスキルを身につける学習方法(基礎編)で詳しく書いてありますのでそっちを見て頂いたほうが良いですが大雑把にいうと私がWebデザイナーになろうとした当時はHTML5/CSS3/jQueryがバズワードみたいになっていてそのあたりを本で勉強して練習用にスマホサイトをたくさん練習用に作っていました。
そのあたりが自信をもってできるようになってから、WordPressを始めて自分でThemeを作れるようになった頃にもうどこの現場でも通じるかなと思ってゲームのデザイナーからWebのデザイナーに転職しました。
昔はフロントエンドなんて言葉もなかったし、UI・UXなんて言葉も今ほど一般化されていなかったので勉強する量が少なかったのが幸いでした。
今はまともにWebデザイナーとして認められるまでには結構な量のスキルを身に着けないといけないので大変だと思います。
もう一つ当時と今とで違う事といえば、Webデザイナーになったあとに勉強し続ける人が今ほどいないです。
ある程度コーディングができるようになると、もうそれの使い回しでなんとか頑張るという人が多かったです。
結局IE8があるからflexboxを覚えない、CSSの角丸も使えないなんて人がザラにいました。
そんな状態でしたので、最新の技術を勉強してた私はスマホサイトを作るのに重宝されて就職がかなり楽に決まりました。
今では想像できないかもしれませんが、レスポンシブのサイトが作れるだけで重宝されていた時代があったのです。
これまでWebデザイナーを名乗ってコーディングしてた人もレスポンシブを覚えるのは実際に案件が始まってからなんとか時間を見つけて覚える(つまり焼き付けばのスキル)でやっていたという人がたくさんいたのです。
その頃から必要とされるスキルを予想して先に身につけておくと生きやすいという成功体験を得て今にいたるのだと思います。
普段のどくらい勉強の時間を確保していますか?
あまり意識して勉強時間を確保はしていないです。
それでも毎週10時間以上は仕事以外でWeb関係の何かを調べたり、作ったりはしていると思います。※twitterも含みます。
私はあまり物覚えが良い方ではないので、時間は結構かけてるほうだと思います。
人の何倍も遠回りしてる自信はありますw
転職活動でこうすればよかったみたいなのはありますか?
私も最近転職してそこはいい感じの会社なのですが、成功した要因としては複業から始まって良い会社だなと思ったからそこに転職したという会社と私お互いの準備期間があったからです。
そのあたりの話は「大阪〜東京でフルリモートワークで働くWebデザイナーに転職しました。」に書いてあるので良かったらご覧ください。
今回の転職では結構年収が上がったのですが、大きな要因としては「自分のスキルですぐに実績を出せる」「売上が伸びてる会社」という2つがあったからだと推察してます。
もし給料を上げて転職したい人はその2つを抑えると給料交渉しやすいですよ。
私はこれに気がつくまで時間がかかってしまいましたが…。
副業はやっても良いですか?
やっちゃダメな理由の方を逆に知りたいです。
弁護士さんも言われているのですが、勤務時間外の行動を禁止するのは基本できないので全然やればいいと思います。
副業、どんどんやればいいと思います!!そもそも勤務時間外の労働者の行動を制約することは原則できませんし、副業は原則として許されるべきと明言する裁判例もあります。添付は厚生労働省の資料より。就業規則を怖がりすぎなくてもOKかと。https://t.co/pYEUIdh97m pic.twitter.com/QFTCS8uafH
— かんねこ🐱ラフ図解弁護士( 弁護士 石橋靖己 ) (@kannekolaw) 2019年3月3日
もちろん本業に影響するほど、複業に専念するのはNGですけど。
もし会社が残業前提でスケジュールを組むところであれば、さらに働いて身体を壊されたら…と心配もする気持ちもわかりますがそもそも長時間労働で働かないといけないところであれば人の副業を心配するよりも自分のチームの稼働を短くして会社に利益を出す事を上司の方が考えるほうがよっぽど建設的だと思いますよ。
副業はお金を稼ぐ以外にもたくさんのメリットがあります。
そのあたりの話は、「会社員をしながらフリーランス(副業)で働くメリット」に書いています。
ブログ記事を書く時間はどうやって作っていますか?
もともと週1でブログを更新する会(通称週1ブログ会)を運営してるので、週1回は強制的にブログを書くようにしています。
時間は毎日30分〜1時間くらいの時間を作っているので徐々に書き上げています。
書くネタは仕事で調べた事のまとめとか、人に質問された事をかいたりしてます。
なので私のブログはWebデザイナーになりたての人やなりたい人の質問の解答になるような記事が沢山あるのです。
それと、これは持論なんですけど常にアウトプットしてる人は信用できると思っています。
週1ブログ会も入りたいっている人は何人もいるのですが、続いてる人はほんの一握りです。
みんなすぐに書けなくなったり、「ブログのコンセプトがー定まってなくて…」みたいに本筋と関係のないことを言い訳にして書かなくなります。
そんな中でもちゃんと書いてる人は分野は違う人でも私は尊敬してます。
すごく基本的なことなんですけど、定期的にブログをかける人は自分の定めた締切をちゃんと守れる人です。だから私は仕事をしてもきっとその人は信用できるんだろうなと思っています。
このあたりの私の考え方は「未経験WEBデザイナーはブログを持ったほうが良いと思う私なりの理由」に書いてあります。
文章の書き方はどう勉強しましたか?
実は文章の勉強したことって無いんですよね。
私がブログを始めた理由ってディレクターになりたてのときに自分の言葉がすぐ出てこなかったり、まとめたりするのが苦手だったのでその練習にやっていただけなんです。
もう4年くらいは週1でブログを書くようにしてるので、そのあたりはかなり慣れてきてると思いますし、そこいらのディレクターよりも全然ものをまとめて進行できる自信はあります!
なのでもし文章が上手いと言って頂けるならそれは嬉しいのですが、ただ続けただけの結果ですw
ただ誤字脱字が多いのはずっと変わらないのでこれは、自分でも諦めてます…。
ちょっとだけ文章の勉強したとすればセールスライティングですね。
LPを作るときにどういう文章なら人に心を動かせるかは勉強しました。
そういったのもあって実はLP作るの結構得意です。
ざっくりとした内容だったりライターがいなくても私は成果の出るLPを作れます。
最後に
今回はインタビューにお付き合いいただきありがとうございました。
かなり濃厚な記事になったと自負しているので、サツキさんがされてきた事がこれからWebデザイナーになる人の刺激になると思います。
私の記事はリライトはしてるものの、今と当時の私とでは独学で勉強したときとは状況が変わってるので今の時代にあった内容を記事にできたと思います。
これからサツキさんはまた転職活動をされるとのことですが、話した印象では再就職されるのにそんなに時間がかからないと思います。
そのくらいしっかりした考えと実行力のある方だと感じましたので。
良い会社さんとのご縁をお祈りしてます
※お祈りメール的なノリで締めさせていただきますw
なお、今回インタビューをして結構楽しかったので、もし「私もインタビューしてほしいみたい」な人がいたら私のtwitterにDMかリプで声を書けてもらえたらもう数人くらいはやるかもです(*ゝω・*)
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