2017年頃からWordPressの制作をめっきりしなくなりました。
特定の理由があってというわけではなく、複数の要因が合ってWordPressで制作しなくなったのですが、最近はそれで良かったなーと思うことが増えてきました。
自分の周りのフリーランスでもWordPressとの向き合い方は様々で、なんでもWordPressで開発しちゃうひと人、メディアサイト特化で作る人、LPをWordPressのプラグインで量産する人など様々です。
もちろん、私と同じようにWordPressから離れた人もいます。
本記事ではWordPressから距離を置いてみた経緯と今の気持ちを紹介しますので、今後の自分のスキルで迷ってる方の参考になれば。
なぜWordPressでの開発を辞めたのか
今WordPress自体は2012年位から触っていましたので、結構長い期間触っていました。
WordPressを覚えようと思ったきっかけは、「最近よくハテブで見る」とか「WordPress覚えたらエンジニアがいなくてもシステム開発できるやん」と言った安易なものです。
実際はエンジニアがちゃんといないとまともなWordPressの開発はできないのですが、そんな軽い気持ちで始めたWordPressもそこそこ使えるようになりまして、できること苦手な事ぐらいはわかるようになりました。
WordPressはもともとブログのためのCMSでした。
ただ最近は何でもできるCMSみたいになっており、素人であればあるほど「WordPressで作れる」といった選択肢をしがちです。
まぁ、実際にブログ以外のサイトも作ることはできるけどそれが最適か?と聞かれたら首をかしげることは多いですね。
CMSはconcreter5,Drupal,a-blog cmsなど様々あります。
どれが一番というものは無くて案件と製作者のスキルセットで一番は流動的に変わります。
しかし、実際問題WordPressが有名になりすぎて「何でもWordPressで作るのが当たり前」みたいな風潮が出てきてこのあたりから私はWordPressから距離を置くようになりました。
なぜWordPressで作るのが駄目なのか
WordPressはテーマを当てて、欲しい機能のプラグインをインストールすれば多種多様なサイトが「素人」にでも作れます。
実際は素人の知識なのにプロと同じ土台でWordPressでサイトを作る人が増えており、なかなかいきあたりばったりな作り方で公開したサイトの保守の相談を受けたりすることが一時期増えました。
そういった場合、見積もりも有料でないと無理だったり、蓋を開けてみたら地獄のようなコードになっていたりと引き継ぐのすら断りたくなる…みたいなことが増えてWordPressの開発から徐々に距離を置くようになりました。
またWordPressが有名になりすぎて、「素人でも簡単に作れる。だからプロのあなたも素人の値段でいいよね?」とか「テーマとプラグイン入れたらすぐできるでしょ?」みたいなクライアントさんが増えたのも私が距離を置くようになった理由の一つです。
実際にテーマとプラグインの選定がうまく行けば高速で開発できるのがWordPressの魅力ではあるのですが、もしそれがうまく行かなかったりする場合は誰のせいになるかというと「製作者の知識不足」みたいになりがちなんですよね。
こういった状態を自分でも、自分の友人の周りでも見かけたので、私は別の方法で開発するようになりました。
WordPressの次にやっていること
これは端的に言えばフロントエンドの開発です。
Veu.js,Angular,ReactといったJSライブラリを駆使して開発をできるようにスキルセットをシフトしました。
私はVue.jsはNuxt.js、Angularはionicという二種類のフレームワークに手をつけています。
なぜ2種類かというと複数のフレームワークに触れておくと視野が広がりやすいのと、勉強してるフレームワークが亡くなってももう片方のフレームワークで挽回できるからです。
その分学習コストは上がってしまうのですが、案件によって適切なものを選んで作りたいという気持ちとリスクヘッジの観点からこの方法を選んでいます。
JSフレームワークを使って何をしているか
別にJSフレームワークが至高とかそういうつもりは全然有りません。
JSフレームワークを使ってる理由の一つにCMSとしても使えるし静的サイトとしても使えるといった汎用性に可能性を感じて、勉強し始めました。
CMSの部分はいわゆるヘッドレスCMSと言われるやつです。
ヘッドレスCMSとは従来のインストール型のCMSとは違い提供されたサービス内ですでに管理画面が用意されており、ブログのように記事を管理画面で作ることができるものです。
ヘッドレスCMSの場合、WordPress&MySQLといった環境に依存せずにすきなサーバー&ドメインで好きなフレームワークで実装が可能です。
なぜこういった自由度があるかというとヘッドレスCMSはAPIと呼ばれるものを使い、指定された情報をJS側で呼び出すことが可能です。
その呼出と適応をいい感じにできるのがVue.js,Angular,ReactといったJSフレームワークになります。
JSフレームワークを覚えると何が良いのか
単純に単価の高い案件に繋がりやすいので、スキルを売りやすいです。
最近のベンチャーではこういったJSフレームワークを使うのが当たり前になっており、使えない場合は門前払いではないにしろ現場で活躍するのが難しくなっています。
もちろん、JSフレームワークを使わない制作会社も一定数はいますが、そこが売上をどのように挙げれるかという点で考えるとリスクが高いです。
※JSフレームワークを取り入れるような企業は売上が高いのでそういった技術選定ができ製作者に報酬を払える右肩上がりの経営をされてるところが多いです。
また、先程紹介したようにヘッドレスCMSを取り入れれば、少しの変更で元々静的サイトで考えてたサイトにCMSの機能を取り入れれます。
ご経験のある方もいるかも知れませんが、元々静的サイトで作成していたが、ニュースの記事は自分達で更新したいといった要望が上がって来た場合WordPressで作り直すといった事をする方もいます。
しかしヘッドレスCMSの場合はAPIを読み込むだけで良いので、柔軟性が高いのです。
今後Web業界がどうなると考えているか
まぁ、私が勝手に考えているだけなのですが、今後は「WordPressで作れる人」と「それ以外で作れる人」に大きく分かれるかと思います。
どういうことかというと、「WordPressのノウハウしかなく、そこでしか開発できない人」と「HTML、CSS、JSの基本はきちんと抑えている」といった感じになります。
なぜこう予想しているかというと、「HTML,CSSを覚えたらすぐWordPressに向かう」といった実情や「WordPressを覚えたら案件にこまらない」といった煽りでWordPressが過大評価されているシーンが増えているからです。
これが及ぼす影響は私が最初にお話した「素人がプロの顔して作る」サイトが増えるということです。
そういった背景からWordPressの開発・引き継ぎは地雷が多く、安く見られがちみたいな分野になるんじゃないかと勝手に思っています。(実際にそうなるかはわかりませんし、WordPress専門でうまくやってる方は実際にいます※技術スキルは高い方が多いです)
一方基礎力のある人達は基礎+得意分野で業界は狭くともうまくやっていくみたいな感じになるんじゃないかと思っています。
最後に
別にWordPressが駄目とかそういう事を言いたいわけではないのですが、私の目から見てWordPressをとりまく環境が昔とは異なってきていると感じたので、自分の気持ちを整理する意味でも記事にしました。
とはいえ、WordPressの案件が多いのは本当なのでWordPress開発を覚えると食いっぱぐれにくくはなります。
私の場合は食いっぱぐれるとか言うよりも、あまり働きたくないので、単価の良い方・(自分にとって)将来性がある方に向けて動きました。
WordPressから距離をおくというと嫌ってると誤解を受けそうですが、コミュニティの人は変わらず好きですし、WordPress関係のイベントに参加するのも楽しいです。
ただなんでも WordPressで作る…というところが受け入れられず自分の技術選定の幅を広げるためにフロントエンドの分野の強化に至りました。
最近は自分ひとりでアプリも公開できたり、Webサービスっぽいもの一人で作れたりできるようになったので、自分としてはこの転換はよかったと思っています。